たまに同世代と会話していると話題に挙がります。
自分はダントツで対山王工業戦における赤木vs河田の1対1で、
赤木がことごとく攻めあぐねるシーン(ボコボコにされるシーン)を挙げます。
全国大会行きを決めた後、全国の猛者が相手になるということで、
密かにローポストでのオフェンスパターンを増やす特訓をした赤木が繰り出すスピンムーブを
「そのパターンも知ってる」
という名セリフと共に河田にサクっと止められてしまう場面ですね。
妹である晴子が泣きそうになるのがなんとも切ないです。
赤木と言えば、197cmの長身+屈強なフィジカルを活かしたインサイドプレーを得意とするセンターとして描かれています。NBAのモデルは歴代有数のセンターであるパトリックユーイングと言われていますが、実際に作中で描かれる赤木はユーイングとは顔以外はあまり似ていません(特にオフェンス)。
ペリメーター付近のミドルショットは選択肢に無いですし、フリースローも下手、体格とパワーを活かしたローポストアタック専門のセンターといった感じで、それこそベンウォレスとかに近いような印象を受けます。
ローポストアタックにしても華麗なフェイクとムーブで相手をかわしてフィニッシュに持っていくというタイプではなく、基本は体格とパワーを活かしたポジション取りで勝負するタイプ。(陵南の控えセンターである菅平相手には少しテクニカルなプレイも見せていましたが、レアケース)。
そんな赤木が、以前の自分のプレースタイルにはない華麗な技(スピンムーブ)を練習して、ボコボコにやられてしまうこのシーンを読んで、「赤木ダサいなぁ」と思うと同時に
①自分のできること、得意なこと/できないこと、苦手なことに気づく、理解する
②その上で、得意領域でチャレンジを繰り返すことでレベルアップする
の二つが大事なんだなと、高校生の頃になんとなく感じたことを今でも覚えています。
この教訓は当然のようにビジネスでの戦いやキャリアデザインにおいても非常に重要で、
特に①の自分で気づく、理解するというのがけっこうみんなできていないように思います。
好きなこと・やりたいことと得意なことが一致していないケースもあるのでさらに複雑です。
それゆえに、こういうことに気づかせてくれる上司や同僚、コーチ、メンターの存在は大事ですね。
(もちろん失敗しながら自分で気づければそれに越したことないですが。)そういう人が周りにいない人は、ゼネラリストを目指しすぎて何の特徴もない人になるとか、何でも引き受けすぎていいように使われて疲弊したりとか、なんかめっちゃ勉強会行きまくってるけど一つもモノになっていないとか、になってしまうこともあります。
スラムダンクの赤木に対してはその役割をライバルである陵南の魚住が担っていましたが(安西先生が一切介入しなかったのは謎)、現実の社会でも自分が間違った方向で努力をしかけている時に、
「華麗な技をもつ河田は鯛。
お前に華麗なんて言葉が似合うと思うか、赤木。
お前はカレイだ。 泥にまみれろよ。」
と気付かせてくれる存在を見つけておけるとよいなと思った次第です。

